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【旅】2023夏の旅 --その3-- [【旅】2023年]

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 2023年夏の北海道に到着した。昨夜は車内ではなく部屋飲みで安心して酔う。5時半起床、函館の朝は曇り空であるが少し明るい。今日から2023年夏の北海道の旅が始まる。五稜郭に近い宿所だったので、8時まで散策し「らんまん」を視聴してから、宿を出る。今日からはキャンプを中心に北海道の夏を楽しむ為、とりあえずホームセンターに向かいイワタニのコンロとフライパンを購入し燃料を満タンにして、R227で日本海側に向かう。

2023年6月14日(水)
 函館の空は青空が広がり始めるが、山中は雲の中である。中山峠を越え厚沢部町(あっさぶちょう)に入ると、メークイン発祥の地だと看板があり、道の駅に寄ってみるがこの季節にジャガイモは無かった。ソフトクリームで昼食、海岸線に出てR229を北上、乙部町に入ると、水平な地層の「館の岬」で国道は通行止めとなっていた。
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山中を大きく迂回して、2km程度北のR229に再び出る。「元和台 海浜公園」で海岸を眺めると、下には海のプールが整備されていた、どのくらいの期間プールなのか?不思議であるが、岸壁を登る通路は避難路として整備されたモノだろう、夏草が生い茂る。
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しばらく奇岩の目立つ海岸線、日本海は波もなく海岸に建つ家々の生活が優雅に思える。R229は海岸線を離れ、再び海岸線に出ると、今日の目的地「せたな町」に到着した。
大きな風力発電の施設が目立つので、数が強いエリアなのだろうと思うが、今日は風もなく気持ちの良い天候だ。昨日、予約の電話をしたが、予約は不要ですと断られ、16時までにお越しくださいとのこと、15時に到着すると、キャンプ場は大勢で草刈り真っ只中、私の為に刈ってくれたの?と思える広いエリアには、私以外テント泊は居なかった。
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我が家2回目の建設に一人で手こずる中、草刈のおじいが興味深く、話しかけて来る。ここは風が強いのですか?と聞くと今日は珍しくおとなしいとの回答だった、遠くからご苦労さん、と労いの言葉を頂き、ありがたい。1時間程度で完成し、夕刻より素晴らしい景色の中で、貸切りキャンプ場を満喫、Beer、日本酒、Wineを頂きご機嫌で夕景を眺める。こんな理想的な場面は絵本の世界である。しかしまだ奥歯は痛む。よってやわらかいスパ、玉子焼き、カップ麺で夕食とした、日没と共に眠る。
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走行距離:172.4km
宿泊先:せたな青少年旅行村キャンプ場

2023年6月15日(木)
 夜間より風が強くなり、テントがバサバサと音を立てている。今日は移動することは無いので、のんびりと一人キャンプを楽しむが、10m/s程度の北風は収まる様子はない。昨日は反対側からそよそよと吹いていたので、そのつもりで建設した我が家は、入り口側からの東風にさらされる。
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気温15℃、最高気温21℃らしく気持ちの良い天気ではあるが、見晴らしの良いサイトは仕方ない。テントアウターが乾く頃には青空も徐々に広がり、太陽光パネルも元気に発電。鳥の声と風の音しかない贅沢な広い空間は、管理されたキャンプ場ならではのものだろう、山中の無料キャンプ場に宿泊する勇気はない。熊に襲われ話題のニュースになるだけだろう、札幌市西区と小樽市にはクマ出没注意報が出ている。昼前に外出、奇岩の続く海岸線をパトロール、三本杉という岩にはウミネコが子育て中で賑やかだ。
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漁港の向こうには奥尻島が薄っすらと望める。
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「せたな公営温泉浴場やすらぎ館」@410で入浴、近くには「荻野ぎん(のちに吟子)さん」という女性の像があり、1851年埼玉県生まれ日本初の女性開業医さんだと紹介されていた。自身の病気療養時の差恥屈辱感から始まり、35歳で医術開業試験に合格、この地で開業し風俗改善に努めた方だそうである。明治期のこの地は、どう見ても漁業以外の暮らしは想像が出来ないが、男尊女卑の社会しかなかっただろう。セイコマートで買い物を済ませて、テントサイトでランチ、昼寝をしていたら夕刻になった。今日も美しい夕景を眺めて1日が終わる。
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走行距離:18.5km
宿泊先:せたな青少年旅行村キャンプ場

2023年6月16日(金)
 朝から東風が収まらないが、天気予報では10時から風向が西風に変わるらしい。テント撤収はこの風の変わるタイミングを逃したくないので、アウターの乾きと芝生面の乾き具合を見ながら、徐々に撤収を始める。この地では、年間平均風速7.9m/sの東風と西風が吹くらしい、北と南風は殆んど吹かないと風力発電所の案内板に記してあった。知れば生活レベルも向上し、知恵も使うものだ。思った通り無風状態の中で10時半撤収完了。おかげで久しぶりに汗が流れた。R229を海岸線沿いに北上、日本海追分ソーランラインと名前が付いている道路は、岩とトンネルと海の景色が続く。「道の駅よってけ!島牧」という単純な名前なのか?意味があるのか?不明であるが立ち寄る。平目フライカレーでランチを済ませ、近隣の情報を探し宮内温泉@500で入浴、鉄サビ色の浴槽には誰も居ない貸切状態。露天風呂にも入るが、クマでも出そうな感じの山が迫り、早々に退散。ぬるめの浴槽でのんびりした。帰りに声をかけるが誰も居ない...のどかな温泉旅館だった。弁慶岬灯台からR229は一旦南下する。
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 寿都町の「道の駅みなとま~れ寿都」は鰊の漁獲で沸いた港町だった。最盛期には鰊が海岸に押し寄せて、白子で真っ白な海に棒を立てても倒れない状態だったらしい。湾をUの字に曲がりR229で岩内町に到着した。ニセコアンヌプリの日本海側に当たる地域なので、冬は雪が多いのだろう、山には残雪も見える。これ以上進むと積丹半島の漁村エリアなので、今夜は「道の駅いわない」で滞在する事とした。夕刻まで町内を散策し17時開店を待って「さくら亭」という居酒屋に行く。満席で1つだけカウンター席が空いているというが、まだ誰も居ない。刺し盛がお勧めだというので注文したが、ハマチ、タイの入荷が遅れて、サーモン、つぶ貝、エビだけ食し、店を出るまでには魚屋さんから届かなかった。よって刺し盛の代金は半額にして頂いた。大きめの切身だったので、私にとっては都合がよかった...
玉子焼きを注文するが、北海道では、現在たまご6個で360円するが、いつも品切れで買えない。なので作れないと断られた。店を出る頃には仕事帰りの花金グループがドンドン集まって来た。この店にはアクリル板の仕切りと、ビニールの仕切りが厳重に設置され少し違和感を感じたが、概ね北海道ではまだ撤収はしていないようである。まだ明るいが寝床を準備して、19時半に寝る。

走行距離:123.5km
宿泊先:道の駅 いわない

2023年6月17日(土)
 4時には日が昇り起床、今日は良い天気だと思いながら積丹半島に向かうが、徐々に海は白波が立ち、風が強くなる。積丹ブルーを見るどころではなく、車外へ出たくない状況である。神威岬の入口は朝8時開門の為ゲートが閉められていたので、島武意海岸 展望台に行く、少し眺めて退散。しかもまだ朝6時過ぎなので、余市の町中を観光する事にして、半島は通過した。セイコマートで、朝食と休憩で1時間半を車内で過ごし、道の駅スペース・アップルよいちには9時過ぎに到着した。観光バスも数台泊まり、今から観光が始まりそうな感じである。道の駅には観光情報は無く、ニッカウヰスキー 余市蒸溜所の前を通過し、JR余市駅まで散歩をすると、観光センターがあり市内の情報も多数あった。残念であるが、ニッカウヰスキー 余市蒸溜所は、完全予約制となっており、予約の無い人は塀の外。
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観光センター2Fには、余市出身の多数のスキージャンプ選手の功績が展示してあった。
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町内にジャンプ台があると表示してあったので、行って見ると高校の裏山がジャンプ台だった、子供の頃から身近な競技なのだろう。
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余市水産博物館、旧下ヨイチ運上家、旧ヨイチ福原漁場、フゴッペ洞窟の共通入場券を購入したので回って見る。明治以前から昭和初期まで、鰊の浜上げから処理まで、大勢の人力で行っていた事を紹介してあった。昭和8年からは極端に鰊の漁獲量が減り終焉している。「最後の群来(くき)」は昭和29年3月28日の夜から29日朝に突然あったそうである、沖合より海の色が白くなりながら、浜に押し寄せたそうだ。それ以降は現在までに見られることは無い。鰊がいなくなった理由は、人の乱獲なのか気候変動なのか?定かではない様であるが、ある日突然に、今までの常識外の事態が発生する事は常に覚悟するべきなのだろう。運上家の船主の部屋で、マネキン親父が粋な表情で酒を飲む姿がリアルで興味深い。
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最後に、フゴッペ洞窟に行って見た。1世紀頃に書かれた壁画が、ガラス越しに見学できる施設である。人物や動物の様なものが描かれているそうであるが、私には違って見えた。子供の頃に見た、ウルトラセブンに登場する怪獣のシルエットそのものだ。
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2000年ほど前、この地にいた人が、驚く様な体験をした事を、どうしても知らせたくてここに記したものだろう。恐らく地球外生命体が地上に降り、人類と交流しながら文明を加速した事柄を記したものだろう。近くにはストーンサークルの様なものが丘の上にある。
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そう納得して道の駅に戻り、「たけや」というお食事処で、平目フライ定食を頂き、明るいうちから眠る。

走行距離:142.6km
宿泊先:道の駅スペース・アップルよいち 

2023年6月18日(日)
 4時半に目覚めると、朝日が眩しい。車外には雪の様にふわふわと綿毛が舞っていた。
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幻想的な光景に見惚れるが、ドアを開ける度に車の中まで入って来る厄介者である。昨年の札幌市で経験したポプラの種子だ。https://hdj81v.blog.ss-blog.jp/2022-07-02
快晴の空なので、積丹半島に50km引き返す。5時半には島武意海岸(しまむいかいがん)に到着、灯台まで歩くとオオカミがいた。
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近寄ると目が光り様々な声を発して、時々日本語も交じる。知らないで行くと少々驚くこのオオカミは、熊除けに開発された装置だそうである。ここの名物になる日も近い。遠くに小樽行きの日本海フェリーが見えた。
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神威岬に行くと7時なのにゲートが開いていた。女人禁制の神威岬、今では歩道も出来て、崖から転落することはない。美しい積丹ブルーを一人堪能。
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それでもまだ8時半、北海道の朝は長く気持ちよい。余市まで引き返し、札幌市琴似駅近くの「札幌らっきょ」でスープカレーを昼食に頂く、ストア札幌に立ち寄る、大通りの週末は様々なイベントで賑わっていた。小雨も降り出し今日の宿営地に向かう。ここは温泉施設の庭の様な場所で、風呂は入り放題、レストランもあり快適だ。

走行距離:198.6km
宿泊先:えにわ温泉ほのか ほのキャンプ場