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【旅】四国八十八ヶ所巡礼くるま旅 2023年3月5~18日 [【旅】2023年]

 仏門に入った訳でもなく、何かに目覚めた訳でもない。日本の旅の歴史の中に「奥の細道」「四国八十八カ所巡り」「伊勢参り」「善光寺参り」など聞いたことのある旅を記した記録があり、それがどんなものだったのか?足跡を辿りながら、我が人生に於いても経験してみたく、2023年3月に四国を巡礼する事を計画した。本来ならば、徒歩の旅でなければ体感はできないだろうが、まずは「くるま旅」13泊14日の予定である。
 寺院での作法に「納札」が必要だとあり、準備して記入した。願意記入欄があり、本能のまま書き込むとバチが当たりそうなので、「無病息災」に願いを込める。

2023年3月5日(日)
 7:00自宅出発、水島ICから高速道路を利用、晴天の瀬戸内を渡ると、眼下には漁船の群れが眺められた、日曜日なので漁民の漁業ではなく、レジャーの釣り船利用なのだろうと想像しながら、各々の漁船は自由な方向に移動しながら、瀬戸内の海面を群れ成していた。津田の松原SAで休憩し、順光の瀬戸内海を眺め板野ICで高速道路を降りた。今日の予定は第1番札所から11番札所までの参拝である。のんびりしていてはトラブル発生時に、対応できる時間的余裕がないので、仕事の如くスケジュールをこなした。
◆1番 霊山寺(りょうぜんじ):昨年訪れていたので、新鮮さはないが、改めてここからスタートする事を確認する。想定以上にハイヤーの団体、観光客が多い。
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◆2番 極楽寺(ごくらくじ):815年、空海(42歳)の頃に修業したそうである、このエリアの寺院では同年代に修業したのだろう、長命杉が力強い。
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◆3番 金泉寺(こんせんじ):住宅地に朱塗りの山門があった、黄金の泉を除くと我顔が映る。弁慶の力石があった。
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◆4番 大日寺(だいにちじ):山裾の行き止まりにあった、広いPと境内を参拝。
◆5番 地蔵寺(じぞうじ):樹齢800年の大銀杏が目立つ。小柄に選定された梅満開。
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◆6番 安楽寺(あんらくじ):田園風景の中のお寺、温泉らしいがその風情は無い。
◆7番 十楽寺(じゅうらくじ):入口にスタッフ待機、本日の阿波シティーマラソン開催につき交通規制があり、8番札所に行く回り道を案内していた、境内から剣山が見える。
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◆8番 熊谷寺(くまだにじ):帝国製薬の臨時Pに入り、交通規制された道路を歩く。高速道路からのノイズはあるが、高台にある大きな山門、広い駐車場。
◆9番 法輪寺(ほうりんじ):田園の中にあるお寺だった。門前のうどん屋さんは残念ながら閉店していた。昼食を予定していたので空腹感が増す。
◆10番 切幡寺(きりはたじ):空海と機織り娘の物語のあるお寺、大塔への登り口からは、吉野川の向こうに四国山地が見渡せる。
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◆11番 藤井寺(ふじいでら):吉野川を渡り、有料駐車場へ。
法輪寺を出てから、うどんランチ。15:15には藤井寺参拝を終わり、徳島市内の宿16:00チェックイン。日曜日の夕刻は飲食店も閉まり、寂しい風情が漂っていた。開いていた居酒屋に入るが、品切れが多く残念な状態でクーポンを消費する。

走行距離:197.1km
宿泊先:ホテル越久

2023年3月6日(月)
 快晴の朝、8:18宿出発。R439で佐那河内村、神山村を経由して12番札所に向かう。初めて来たエリアなので様々な看板に目を奪われるが、「道の駅 温泉の里・神山」に立ち寄り、少し離れた大木がそびえる八幡神社に参拝して、r43から目的地に向かった。道路沿いには枝垂桜が目立つ。
◆12番 焼山寺(しょうさんじ):標高705m、Pには残雪あり。火を吐く大蛇が焼山にしたそうだ。徒歩では険しい難所である。
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 参拝後、引き返してr21を走行中、「神山森林公園 イルローザの森」看板に惹かれ立ち寄る。剣山から吉野川まで眺めが良い。吉野川水系の鮎喰川(あくいがわ)は美しい水が流れていた。
◆13番 大日寺(だいにちじ):道路を挟んで、阿波一宮神社と隣接、南側の山上に一宮城があったそうだ、しあわせ観音。
 ランチは「お食事処 なかの」で定食を頂き、R192の工事現場の様なエリアの巡礼となる。途中で徳島市立考古資料館に立ち寄るが休館日だった。古代人の住んだ形跡から、小高い丘の影響で、吉野川の水害から守られた場所だろうと想像する。田園の中に住宅と寺院が広がる。
◆14番 常楽寺(じょうらくじ):丘の上にあり、断層の自然石のままの境内が、歩き難く印象的だった。
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◆15番 國分寺(こくぶんじ):阿波国分寺、諸国にある国分寺の一つ、高さのある本堂は迫力があった。庭園@300円は未見学。
◆16番 観音寺(かんおんじ):「かんのんじ」ではなく「かんおんじ」
◆17番 井戸寺(いどじ):カラフルな山門、境内に正心小学校があったそうだ。
 眉山の西側に位置するこの地域は、古代の徳島平野の中心だったのかも知れない、そんな感じのする寺院密集エリアだった。今日も眉山の東側に位置する徳島市内に連泊、16時前には宿に戻り、市内散策を楽しむ。眉山のおかげて夕刻の日没は早く、朝日は海から登る、地形的には暮らしよい環境なのだろう。夕食はコンビニ飯で済ませる。

走行距離:112.6km
宿泊先:ホテル越久

2023年3月7日(火)
 快晴の朝、R55を南下、国道から少し逸れた、小松島市の山裾にある恩山寺に向かう。
◆18番 恩山寺(おんざんじ):行き止まりにP、コンパクトな境内、静かな朝の空気の中で参拝する。
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◆19番 立江寺(たつえじ):コインパキング300円、住宅地にあった。
◆20番 鶴林寺(かくりんじ):標高470m、山門に鶴、巨木のある参道は風格漂う。798年に桓武天皇の勅により空海が開創と記されている、唐に渡る前の24歳の頃、こんな山中にどうやって作ったのか理解不可能。山を切り開く道具を持ってくるだけでも困難だ。
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◆21番 太龍寺(たいりうゅじ):標高618m、ロープウェイを利用、遠くに鶴林寺も見える。空海19歳の時にここで修業したらしい、石垣のある境内は風格大。
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「舎心ヶ嶽」(しゃしんがたけ)には大きな空海が座っていて、見ごたえのある風景だった。
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◆22番 平等寺(びょうどうじ):のどかな田園風景、広いPから全体が見渡せ、参拝しやすい。一眼カメラでLIVE配信。
 本日の巡礼はここまで、阿南市の宿に向かう。15時前には到着したが快くチェックイン、窓から海の見えるビジネスホテルだ。夕食時、薄ぼけた満月が海から登り次第に明るい月となる。旅情を彩る光景だった。

走行距離:88.3km
宿泊先:ベイサイドホテル龍宮

2023年3月8日(水)
 快晴の朝、8時前には宿を出る。R55を南下、一部自動車専用道路が整備してあり、想定外に早く、日和佐の薬王寺に到着した。大型観光バスも入る駐車場が整備され、観光化が進んでいる。
◆23番 薬王寺(やくおうじ):726年建立、自身は15歳の頃に来た、45年前の記憶は大きな赤い塔だけだった。
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 参拝後、大浜海岸に出る、海と浜はとても美しく保たれており安心する。しかしながら「国民宿舎うみがめ荘」は閉館され、残念な状態となっていた。次世代に生まれ変わる期間なのだろう。恵比寿浜まで行って見る、15歳の夏、この浜の民宿に連泊した記憶があるが、見覚えのある場所は無かった。
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「道の駅日和佐」では観光クーポンが使えず、隣のドラックストアで全額消費して遍路に戻る。久しぶりに走るR55なので、様々な光景に興味が湧くが移動距離も長いので、次の機会にする。DMVも見学してみたいが、出会うことは無かった。宍喰町がジャンボ尾崎さんの出身地だった、少年期の昭和30年代を考えると、ゴルフとは無縁な場所である。県境を超えると、南国高知の風情となり、道端には柑橘系の販売が目立つ。その先は崖と海と空の風景が岬まで続く。室戸世界ジオ パークセンター(無料)を見学。
◆24番 最御崎寺(ほつみさきじ):室戸岬灯台の位置にあった、鐘石という美しい音色の石が不思議だった。室戸スカイライン経由で、室戸の町に入る。港であるが、海面から高い位置に町が造られていた。
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◆25番 津照寺(しんしょうじ):入口の「遍路の駅 夫婦善哉」で昼食後、急な階段を登り参拝。港町が見下ろせる。
◆26番 金剛頂寺(こんごうちょうじ):離合不可能な急坂を登ると、広い駐車場が整備されていた。
◆27番 神峯寺(こうのみねじ):想定外の急坂、離合困難な道を車で登る。駐車場から更に登る。整備された斜面の庭や森林が印象的。
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 夕刻には、晴れているが空と海の境目が見えない状態となり17時に奈半利の宿にチェックイン。まぐろ鍋を頂く。

走行距離:169.1km
宿泊先:ホテルなはり

2023年3月9日(木)
 8時過ぎに宿を出発、気温16度。今日の天気予報は、夕刻から雷雨の見込みである。しかし朝から晴れ間もあり気温が高い。夕刻の約束時間もあり、今日のスケジュールはタイトだ。
◆28番 大日時(だいにちじ):丘の上にあった、Uターン気味に山に入る。
◆29番 国分寺(こくぶんじ):土佐の国分寺、さすがの佇まい。田園の中に木立に囲まれていた。
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◆30番 善楽寺(ぜんらくじ):高知市北部郊外の住宅地にあった。
トンネル内で、カーナビから「到着しました」と報告あり、山上の展望台からは高知市が一望、今春からの連続テレビ小説となる、牧野さんの植物園整備工事が急ピッチ。春の花々が咲き始めていたが見学は次回へ持ち越し、遍路を続ける。
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◆31番 竹林寺(ちくりんじ):整備された境内には、婚礼前撮りのペアも見られた。
◆32番 禅師峰寺(ぜんじふじじ):太平洋の望む高台のお寺。多数の農業用ハウスが望める。静岡の久能山からの景色に似ていた。駐車場には、人慣れした猫が「何かくれ」と近寄って来る。
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◆33番 雪蹊寺(せっけいじ):住宅地にある広い境内、鐘と咲き始めた桜が印象的。ここまでは蒸し暑い空気に包まれていた。
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うどんランチを済ませると、道路の対面には見覚えのある看板があった.http://www.shikiden.com/company-top.html
◆34番 種間寺(たねまじ):水路沿いに田園地帯を進むと、広い駐車場が整備してある寺だった。車での参拝にはやさしい。涼しい風が感じられる。
◆35番 清瀧寺(きよたきじ):土佐市を見下ろす山の南斜面にあった、仁淀川の河口方面まで見渡せる。
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◆36番 青龍寺(しょうりゅうじ):明徳義塾高の近く、階段の上にあるお寺。
到着と同時に降雨となる、遠くに雷鳴もあり、明徳高のバスで参拝する外国人学生の団体がいたが、先を急いで参拝を済ませた。
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車に戻ると同時に、土砂降りの雨と雷に襲われた、間一髪のタイミング。各寺院に守られている気がした。感謝
16時前に高知市内に戻り、降雨の中ホテルチェックイン。17時に大膳町を訪問、勝手なスケジュールで恐縮しながら高知の食を楽しませて頂く。

走行距離:156.7km
宿泊先:リッチモンドホテル高知

2023年3月10日(金)
 昨夜の酒もスッキリ抜けて、青空の広がった高知市内を出発、移動距離も長いので高知ICから高速道路を利用する。35番札所の清瀧寺が道路からよく見える。知らなければ見る事もない山の風景であるが、知れば興味が湧いてくる。
◆37番 岩本寺(いわもとじ):外国人受けなのか、四万十川観光のエリアだからだろうか、少し奇抜な装飾があった。
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◆38番 金剛福寺(こんごうふくじ):足摺岬にある大きな山門、境内は池泉回遊式。822年の開創だそうである。
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気温は20℃を超えて暑く、エアコンのお世話になる事となった。
◆39番 延光寺(えんこうじ):コゲラがトントン拍子をとり、トンビがヒーヒョローと、木に止まったまま鳴き続けていた。自動車専用が寺院目前を通るが、自然の豊かさを感じる境内だった。
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予定では40番札所まで巡礼する計画でいたが、移動距離が長く、本日はここまでで終了。今回の遍路で泊まってみたかった宿に16時過ぎにチェックイン。

走行距離:242.3km
宿泊先:宿毛リゾート椰子の湯

2023年3月11日(土)
 晴天の朝、宿毛市からR56で愛南町に入る。
◆40番 観自在寺(かんじざいじ):807年空海が開創とある(唐から博多に戻った翌年)、愛南町の町中にあり正面から車で入ると狭い道路となる。大きな栄カエルがいた。
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津島岩松ICから自動車専用道路を利用すると、宇和島の町はあっという間に通過した、三間ICで下り、「道の駅みま」に寄る。
◆41番 龍光寺(りゅうこうじ):神社と併設されている、三間のお稲荷さんと呼ばれているらしく、狛犬がいる。Pまでの30mは普通車で道幅一杯。
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◆42番 佛木寺(ぶつもくじ):三間の田園風景の山裾にあった、大きな山門が目立つ。
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◆43番 明石寺(めいせきじ):822年に弘法大師が訪ねていると記述あり、住職が味を決めたという明石寺カレーを購入。
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R56を北上し、大洲市に入る。ホテルチェックイン後、伊予大洲駅周辺を散策するがフジグランしかなく、「福ちゃんラーメン」で夕食とした。宿の窓から大洲城のライトアップが見えていた。

走行距離:139km
宿泊先:ホテルオータ

2023年3月12日(日)
 今日も快晴の空、内子町からR379→R380を経由して久万高原町に行く。
◆44番 大寶寺(だいほうじ):寺院の下にあるPから歩くと、山門にある大迫力の金剛力士に睨まれる。ここで半分「へそ」だそうだ、山火事のごとくスギ花粉が舞う。
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r12で山中を走り、歩き遍路さんには険しい距離の道が続いている。
◆45番 岩屋寺(いわやじ):P300円から山を登り、名前の通り崖の下の岩屋の風情に佇む。どこまで登るのか不安になるが、鐘の音で距離と位置が把握できる。
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境内は24mのレンズでは入りきらない絶壁が目前に迫る。
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◆46番 浄瑠璃寺(じょうるりじ):松山の平野に下りてくる、門前は椿、モクレンや桜、菜の花満開の季節の花々が混在し春模様、気温23℃で暑い。
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◆47番 八坂寺(やさかじ):モクレンの開花が印象的
◆48番 西林寺(さいりんじ):重信川を渡り、広い平野部に出る。「本堂にお坊さん よく見ると我が姿」
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◆49番 浄土寺(じょうどじ):勇ましい山門に「西林寺」と表記あり、「西林山 三蔵院 浄土寺」だそうである、写真を見返すと48番と49番がこんがらがる。Pに向かう横断歩道が不自然。
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◆50番 繁多寺(はんたじ):ほんの少し高台にある広い境内。
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ここで宿にチェックイン、歩いて51番札所の石手寺に向かうが、何故か暑い。
◆51番 石毛寺(いしてじ):道後の観光地エリアにあり、堂々たる観光寺の様相、しかしながら参道のお店はほぼ閉店。本堂の奥の洞窟が通り抜け出来た。
 参拝後、道後温泉本館前で夕食を済ませ、散策をしながら宿に戻る。贅沢であるが毎日移動を続けると、何故か疲れて来る。もう少しのんびり連泊をしながら旅をしたいと思うが、事前に計画した旅はスケジュール通りに進行するしかない、もっと無計画な旅を楽しみたいものだ。

走行距離:117.6km
宿泊先:にぎたつ会館

2023年3月13日(月)
 夜間に雨の天気予報であったが、道後の道は濡れていなかった。今日は天候回復の見込み。午後からは快晴が見込まれる。
◆52番 太山寺(たいさんじ):Pから少し距離があり、参道は崖崩れの跡も見られた。1305年に建てられた本堂は国宝、カラフルな瓦が印象的。
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◆53番 圓明寺(えんみょうじ):和気にある寺、目前にPがあり、ラクラク参拝だった。
◆54番 延命寺(えんめいじ):境内では発掘作業らしき様子、納札を取る輩がいるらしい、取り纏めて個人情報として販売するのかも知れないが、哀れな事である、バチは必ず当たるものだ。
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◆55番 南光坊(なんこうぼう):今治の街中にある大きなお寺、境内に車で乗り込み駐車可能。歴史は古く建物は新しい。
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◆56番 泰山寺(たいさんじ):田園地帯に広いP、新たに整備された境内。
◆57番 栄福寺(えいふくじ):コンパクトな境内、P整備がされていた。
◆58番 仙遊寺(せんゆうじ):瀬戸内を眺める山の上にあった。
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◆59番 国分寺(こくぶんじ):伊予の国分寺、古くは町の中心だったのだろう、海側の丘に守られ田園が広がる。
今治の港前にある宿に、早めにチェックインをして溜まった洗濯をする。ホテルの屋上からは、残雪の石鎚山が眺められた。リニュアル工事中で期待はしていなかったが、2食付きでコスパ最高の宿だった。

走行距離:82.4km
宿泊先:ホテル菊水今治

2023年3月14日(火)
 快晴の空、有料道路の山道を車で登り、60番札所を目指す。料金所のおじさんが、1台上から降りて来る車がある見込みだと教えてくれたが、2台下りて来た。すれ違いが困難な有料道路。
◆60番 横峰寺(よこみねじ):駐車場から下り、山中のお寺。歩き遍路には険しい道程だろう。標高750mにある石鉄山横峰寺(いしづちさんよこみねじ)、シャクナゲの林が目立つ。
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ミツマタの花も咲き始めていた。
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◆61番 香園寺(こうおんじ):鉄筋コンクリートのお寺、コンサートホールの様な本堂。
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◆62番 宝寿寺(ほうじゅじ):聖徳大師が開創、風鈴の音色が印象的。
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◆63番 吉祥寺(きちじょうじ):本堂は工事中、閉鎖されたJAの広い駐車場には、遍路の駐車禁止表記が目立つ。
◆64番 前神寺(まえがみじ):登っていくと、想定外に大きな本堂があった。
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時間的余裕があったが、香川方面に先を急がず、残雪の石鎚山を目指すが、UFOラインは通行止めだった。

走行距離:132.4km
宿泊先:ホテルオレール西条

2023年3月15日(水)
 今日も快晴の朝、残雪の石鎚山もよく見えているが、先を急ぐ。伊予西条ICから三島川之江ICまで高速道路を利用する。寺院の下まで行くとおじいが手を振っていたP200円、終日自宅前に座っていると収入のある、四国八十八カ所巡りは、良き観光システムだと感心する。
◆65番 三角寺(さんかくじ):Pから想定以上に急階段を登る。本堂の彫り物が立派だった。
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うどん屋ジローのうどんの量に驚き、腹一杯のランチを済ませて、雲辺寺に向かう。
◆66番 雲辺寺(うんぺんじ):ロープウェイ利用、スキー場には残雪なし。香川県と徳島県の県境、徳島県側にあり建築物は新しく立派な境内だった。讃岐平野が一望できる。
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◆67番 大興寺(だいこうじ):田園風景の高台にあった、撞木の紐には5円玉がぎっしりと結んであった。
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 次の寺院の駐車場に停まると、団体バスの遍路組があり、急ぎ足で本堂、大師堂を参拝すると69番だった、その後に隣の68番を参拝、順序を間違えた。
◆68番 神恵院(じんねいん):コンクリートの本堂。
◆69番 観音寺(かんのんじ):朱色の本堂。
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◆70番 本山寺(もとやまじ):五重塔は修復中。
予定は、ここまでだったが前倒して71番を目指す。
◆71番 弥谷寺(いやだにじ):駐車場から遠く、時間を気にしながら本堂到着16:18、見晴らしの良い山腹。大師堂の中に納経所がある。
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 16:40駐車場に戻り、本日の予定終了。ホテルチェックイン後、居酒屋「うさぎ」で夕食時に、「県外から来られたのなら骨付き鳥が名物だ」と教えてくれた、地元の常連客らしきおやじは、はじめての歩き遍路挑戦中の、75歳清水市の会社経営者だった。出発して何日目なのか覚えていない、一度コロナ感染拡大で自宅に戻って再出発したそうだ。今まで偉そうに、社員に向かい「何でこんなことが出来ないのか?」と言っていた自分に後悔するが、もう手遅れで仕方ない。もっと早く、妻が元気なうちに遍路をすればよかった、と話した。また、世界中の皆が遍路をしておれば戦争など起きない、と各地の接待に感謝していた。

走行距離:132.6km(ほぼ昨日と同距離)
宿泊先:丸亀プラザホテル

2023年3月16日(木)
 今日から天候が下る予定であるが、午前中は青空が広がる。高台にある72番札所に向かったが、73番がすぐ上にあり、行って見るとどちらも有料駐車場となっていた。ならば... 73番札所に駐車してから72番、73番と歩いて参拝した。73番納経場では駐車料金は不要だと言われラッキー!近接する民宿が閉鎖されていることが原因か?
◆72番 曼荼羅時(まんだらじ):不老の松は枯れ、円形の跡地だけが残っている。
◆73番 出釋迦寺(しゅっしゃかじ):72番の少し上にある、境内からは讃岐平野が見渡せた。奥の院には「真魚:空海幼名」が飛び降り、天女に抱き留められた捨身ヶ嶽があるが、登らず次回に持ち越して先を急いだ。
◆74番 甲山寺(こうやまじ):砂利工場隣接、広いPあり参拝はしやすい。
◆75番 善通寺(ぜんつうじ):規模の大きさに驚く、コインパーキングに車を停めると、どこから参拝するのか判らない程広い境内だ。
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 西院と東院に分かれており、案内図を見ないと、参拝の順序が判らない。空海の生まれ故郷は屏風浦だと記述があり、海辺だと思っていたが、かなり内陸部のこの地である。坊さんも多く、いたる所でお経を唱えていた。涅槃桜(ねはんざくら)満開。
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◆76番 金倉寺(こんぞうじ):仁王像が勇ましい。広い駐車場隣接し、平坦で楽々参拝。
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◆77番 道隆寺(どうりゅうじ):道路沿いに数台のPあり、路地を入ると少し広めのPがあった。観音さんがずらりと並んでいた。
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◆78番 郷照寺(ごうしょうじ):高台から宇多津の町が見える。近隣は良く通過する場所であるが、巡礼する事で新たな景色が見えてくる。
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◆79番 天皇寺(てんのうじ):「八十八名物ところてん」の看板が目立つが閉まっていた。
◆80番 國分寺(こくぶんじ):讃岐国分寺、参道、山門はさすが国分寺という雰囲気であったが、納経所の中は納札が散乱し、汚れた手書きPOPと展示品多数は残念な状態。いくらでも両替可能なところはありがたいが、仏具の販売は整理整頓して欲しい。
◆81番 白峯寺(しろみねじ):五色台にこんなところもあったのだ、高松の市街、瀬戸大橋が一望できる展望台の奥にあった。霧雨の中、静かな参道。
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◆82番 根香寺(ねごろじ):山中を走り、Pに到着すると怪獣がいた。団体のバスツアーもいた。
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 5箇寺前倒し参拝して、本日の予定終了、いよいよ最終の目途が立つ。宿に戻り、今夜は「一鶴本店」に行く。現在「おやどり」の提供は無く、ひなを頂く。かわ酢がつまみに最高だ。

走行距離:103.3km
宿泊先:丸亀プラザホテル

2023年3月17日(金)
 曇天の朝、午後から雨の予測である。
◆83番 一宮寺(いちのみやじ):少ない駐車場は造園業の車で一杯だった。
◆84番 屋島寺(やしまじ):整備された境内は観光地、コインP300円。
◆85番 八栗寺(やくりじ):流線形のケーブルカーを利用、往復@1000円。歩いて往復も出来るが観光気分で楽しんだ。沖縄の伊江島タッチューの様な岩山からは讃岐、阿波、備前が見渡せるらしい。
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◆86番 志度寺(しどじ):花々の咲く広い境内は、自然庭園風で「どこでもドア」があった。住職自身で造園作業中なのかも知れないと思えるほど工事車両があり、建築物の傷みがすすむ。
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◆87番 長尾寺(ながおじ):大師堂には天使の彫刻があった。
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◆88番 大窪寺(おおくぼじ):到着時から小雨となるが、傘なしで参拝で来た。Pから見える大きな門から境内に入るが、正面の山門とは違っていた。
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こんな山中にも関わらず、山門の下には商店が立ち並び観光地の様相、しかしながら客は無く、車窓から見学して通過。
 そして結願、予定より1日早く迎える事となった。結願を迎え、感動しているおじさんからカメラ撮影を頼まれ撮る。くるま遍路の私は感動をどう表現して判らないまま、感謝の思いを本堂、大師堂で合掌。ありがとうございました。
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 高松市内への復路「道の駅 ながお」の対面に、へんろ資料館があったので立ち寄る。何故ここにあるのか理解できないが、遍路を始める前に見学したい施設だった。
 八十八カ所の参拝し、合掌を続ける途中からは、本堂、大師堂の目前で願う気持ちは無くなり、素敵な時間を与えてもらえた事に感謝をしていた。

走行距離:120.0km
宿泊先:高松国際ホテル

2023年3月18日(土)
 雨の朝、結願の報告に◆1番札所 霊仙寺(りょうぜんじ)に向かう。r10は道路整備が進みR11よりも走り易く、讃岐白鳥までは一気に進む。r41で峠を越えて「鳴門市ドイツ館」に出る。今回の旅は天候に恵まれ、晴天の日が続いた、雨も少し降ったが夜間降雨で、朝から回復し傘を使う場は無かった、本格的な雨降りは昨夜からのみ。ありがとうございました。

 令和時代の「くるま遍路」を体験し、四国八十八カ所巡りは四国観光の素晴らしいシステムだと感心する。神社仏閣の歴史、弘法大師空海がいた史実もあり伝承も多い。時間をかけてロマンのある旅が出来る上、順序良く四国一周が可能で、様々な風景を楽しませてくれ、その上、接待という文化が継続され、地域とのふれあいの場も提供されている。どこの寺院も駐車場が完備され、自家用車でスムーズに参拝が可能だ。(中型車では困難な場面あり)いつの日か、遍路が世界遺産になる日も来るだろう。

 巡礼の旅を計画し、はじめて納札を見た時、座った坊さんの下からタケノコが生えとるのか?と疑問を持つほどに無知な自身であったが、少しづつ知識も増えた14日間だった。参拝手順も間違いながら、知らないという事は強く(恐れを知らず)、知って後悔がはじまり、帰路後は懺悔の日々である。いつの日か、可能であれば歩き遍路にも挑戦したいと思えた。その時は白装束で行き倒れ覚悟で臨みたい。

走行距離:200.3km
全移動距離:1993.7km 消費燃料:109.5L 燃費:18.21km/L

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